ゴゴジャンの商品ページには「勝率ほぼ100%」「15年間ロスカットなし」といった言葉が並びます。数字だけを追えば、どれも勝てそうに見えるはずです。
ところが、最大ポジション数や損切り幅まで確かめると、同じ「安定」でも中身はまるで違います。
15回までナンピンして耐えるEAもあれば、1ポジションで損切りを30pipsに抑えるEAもあります。
EAのレビューで勝率より先に確かめたいのは、最大ポジション数、損切りと利確のバランス、フォワードの期間、ロジックの扱いやすさの4つです。
ここに並べたEAは、すべてこの4つの視点で見ています。当ブログで稼働させたEAもあれば、商品ページの公開データだけで評価したEAもあります。
気になるEAが見つかったら、随時ここに追加していきます。
EAの評価はどこを見る?4つの視点と見方
EA(Expert Advisor)とは、MT4などの取引ソフト上で売買を自動で行うプログラムです。ゴゴジャンなどの販売サイトでは、商品ページにバックテストとフォワードの成績が公開されています。
商品ページの成績欄は、見る順番を決めておかないと数字に振り回されます。
以下の4つは、このあとのレビューすべてで共通して確かめている項目です。どれか1つでも極端なEAは、成績が良く見えても慎重に扱っています。
最大ポジション数|ナンピン型か1ポジ型か
最大ポジション数が多いEAは、含み損を抱えたまま買い増しして耐える設計であることが多いです。1ポジションあたりのロットを小さくしないと、口座全体のリスクが膨らみます。
単純化すると、最大15ポジションまで持つEAで1回の最大損失を1ポジ型と同じに抑えるには、1ポジションあたりのロットを15分の1近くまで下げることになります。
ナンピン・マーチンの危険性と対策は、ナンピン、マーチン、両建EAは本当に危険?そのリスクと対策法を解説で詳しく解説しています。
損切りと利確のバランス|資金効率の差
最大ストップロスに対してテイクプロフィットが小さいEAは、勝率が高くても1回の負けで何回分もの利益を失います。
たとえば1回の負けを口座の2%、100万円なら2万円に抑えると決めたとします。クロス円は1万通貨で1pipがおよそ100円なので、損切り30pipsなら約6.6万通貨まで張れます。
損切りが300pipsになると、張れるのは約0.66万通貨です。このあと紹介するHydrangea(SL30)とNeoTokyo(最大SL300)の差は、ちょうどこの10倍にあたります。
損切り100pipsに対して利確10pipsなら、1回の負けを取り戻すのに10連勝が要ります。勝率90%でも、10回で利益90pipsに対して損失100pipsとなり、収支はわずかにマイナスです。
損切り100pips・利確10pips・勝率90%で10回トレードすると
※本文の数値例をもとに、9回勝ったあとに1回負けた順番で並べた例です(棒は累計損益、中央線が0)。
同じ資金で張れるロットも小さくなるため、資金効率が落ちます。損益のバランスを数字で確かめるなら、プロフィットファクター(PF)の理想値もあわせて見ておくと判断しやすくなります。
フォワードの期間と推移|バックテストとの乖離
バックテストは過去の相場データでEAを動かした検証結果、フォワードテストはEAを実際の相場で動かして記録した成績です。
バックテストは過去データに合わせ込めるため、どれだけ右肩上がりでも将来の成績は保証されません。
フォワードが短いEAは評価を保留し、長い期間フォワードで成績を保てているかを重視しています。テストの種類と見方はバックテストだけで評価はアウト!正しいテストでEAを正しく評価する方法が参考になります。
ただ、フォワードが良ければ安心というわけでもありません。2022年11月まで期待できていた大連チャンはその後いったん調子を崩し、当ブログで稼働して2年ほど好調だったGZ_RSI_multi_M5も近年は不調です。長いフォワードは必要条件ではあっても、十分条件ではないということです。
ロジックの扱いやすさ|口座や経験を選ぶか
ブレイク系のスキャルピングは、スプレッドやスリッページの影響を受けやすいロジックです。朝スキャは、朝方のスプレッドが狭い業者でないと成績を再現しにくくなります。
マイナー通貨ペアを扱うEAや勝率の低いEAも、使い手を選ぶ部類です。
レビューしたEAのタイプ別一覧
最大ポジション数とロジックでタイプ分けすると、同じ「安定」でもリスクの取り方が違うことが見えてきます。
1ポジション型EAのレビュー
最大1ポジションのEAは、損切りの幅がそのまま1回の最大損失になるため、リスクを読みやすいタイプです。
その分、ストップロスの広さとフォワードの推移で差がつきます。当ブログで稼働させたEAも、このタイプに含まれています。
大連チャン DaiRenChan
大連チャン DaiRenChan最大1ポジションで資金管理も自動、多通貨ペアに対応し、インジケーターも使いません。
この設計ならカーブフィッティングを避けられると期待できたEAですが、2022年11月以降はいったん調子を崩しました。その後は持ち直し、2026年9月時点では直近2年のプロフィットファクターが1.2とプラス圏に戻っています。
GZ_RSI_multi_M5
GZ_RSI_multi_M5当ブログで稼働させたことがあるEAです。1通貨ペアにつき1ポジションで、5通貨ペアに逆張りでエントリーします(全体では最大5ポジション)。
最初の2年ほどは成績が良かったものの、近年は不調で、2026年9月時点の直近1年もマイナスです。同じ作者のほかのEAの成績も気になっています。
NeoTokyo
NeoTokyo1ポジ型で、平均損失より平均利益のほうが大きいEAです。ただ最大ストップロスが300pipsと広く、そこはやや不安です。2026年9月時点でも通算・直近1年ともプラスですが、直近1年のプロフィットファクターは1.09と伸びが鈍っています。
Essential_USDJPY
Essential_USDJPY最大1ポジション型で、ストップロスとテイクプロフィットのバランスがよいEAです。フォワードは2022年7月から4年以上続き、2026年9月時点の直近1年もプロフィットファクター1.89とプラスです。
Hydrangea
Hydrangea最大1ポジションで、いちばんの特徴はSL30pipsというストップロスの狭さです。損切り幅が狭いぶんロットを大きく張れるため、資金効率のよいEAです。当ブログでも稼働させていました。ただし、2026年9月時点の直近1年のフォワードはわずかにマイナス(プロフィットファクター0.91)です。
成績の推移や特徴は、MT4用EA「Hydrangea」の実力は?評判と特徴を徹底解説で詳しくまとめています。
ナンピン・マーチン型EAのレビュー
勝率や成績が安定して見えやすい反面、相場が一方向に走ると含み損が一気に膨らむタイプです。
ナンピンとは、含み損が出ている方向にポジションを買い増し(売り増し)して、平均取得価格を有利にする手法です。マーチンは、負けたあとにロットを増やし、1回の勝ちで損失を取り返す手法を指します。
最大ポジション数が多いほど1ポジションあたりのロットを抑える必要があり、口座資金にかなりの余裕が要ります。
AI Rig シリーズ
AI Rig 03(サード) -EURJPY M15-最大8ポジションのナンピンEAです。ナンピンの注意点を理解したうえで稼働させてください。
「勝率ほぼ100%」は、負けそうな局面でナンピンして決済を先送りできる設計なら出やすい数字です。勝率より先に、最大8ポジションを抱えたときの含み損を確かめたいEAです。
天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-
天狗 -てんぐ- AUD/JPY-ALL-同じ方向に最大15回ナンピンし、最初のポジションと合わせて最大16ポジションまで持つEAです。
商品ページの「15年間ロスカットなし」は、最大15回(最大16ポジション)までナンピンして耐えた結果でもあります。ロスカットがないことと、含み損が小さいことは別物です。
激勝ち AUDNZD(販売中止)
2026年9月時点で、ゴゴジャンでの販売は中止されています。購入の候補にはなりませんが、ナンピン・両建て型の注意点がよくわかる例として残しています。
商品ページはヘッジ機能でドローダウンを抑えたとしています。両建てで評価損が小さく見えても、両方のポジションぶんの証拠金とスワップがかかる点は確かめておきたいところです。
フォワードの記録が残る2026年1月までの直近1年は、勝率が9割を超えたままプロフィットファクター0.29まで落ち込み、大きく負け越しています。勝率の高さとリスクの小ささは別物だとわかる例です。
Turn Up EA (ターン・アップEA)
Turn Up EA (ターン・アップEA)買い・売りそれぞれ最大4ポジション、合計で最大8ポジションまで持つナンピンEAです。片側4ポジションまでという点では、ここで紹介するナンピン型のなかでは少なめです。
ただし2026年9月時点の直近1年のフォワードは、プロフィットファクター0.14と大きく負け越しています。ポジション数が少なめでも、それだけで安心材料にはなりません。
豪カナーダ AUDCAD
豪カナーダ AUDCAD最大50ポジションまでナンピンするEAです。
50ポジションをすべて抱える局面を想定すると、1ポジションあたりのロットは1ポジ型の50分の1程度まで下げることになります。口座資金が少ないと、最小ロットでも想定のリスクに収まらない可能性があります。
スマートベア
スマートベア最大10ポジションまでナンピンするEAです。
商品ページは初心者にもおすすめとしていますが、最大10ポジションを前提にロットを決める必要があります。ポジション調整ができるなら、最大ポジション数を減らした設定から試すほうが無難です。
ステディFX
ステディFX2014年11月のフォワード開始から12年近く、コツコツと利益を積み上げてきたマーチンEAです。ただ、その間に一度、大きなドローダウンがありました。2026年9月時点の直近1年はほぼ横ばいです。
ポジション数や損益比に注意が必要なEA
ナンピンと明記されていなくても、最大ポジション数が多いEAや、最大ストップロスに対してテイクプロフィットが小さいEAは、1回の負けが重くなります。
成績が安定していても、ロットを抑えざるを得ないぶん資金効率は落ちがちです。
ComeBack EURUSD
ComeBack EURUSD成績は安定していますが、最大ポジション数が15、最大ストップロスが180pipsあり、一気に崩れるおそれがあります。
ポジションを多く持つぶん、1ポジションあたりのロットを小さくしないとリスクを取りすぎます。平均で何ポジション持つかは公開データからはわからず、ロットを抑えざるを得ない点で資金効率が気になります。
ぬえ GBPJPY
ぬえ GBPJPY最大15ポジションまで持つうえ、最大ストップロスに対してテイクプロフィットが小さいため、資金効率は悪くなります。
Trend Master シリーズ
Trend Master GBPJPY最大ストップロスに対してテイクプロフィットが小さいため、資金効率が悪くなります。
EA_final_max_1pair_DF
EA_final_max_1pair_DF最大ストップロスに対してテイクプロフィットが小さいため、資金効率が悪くなります。通貨ペアもマイナーなドルフランなので、上級者向けです。
ブレイク・朝スキャなど癖のあるロジックのEA
ロジックそのものに特徴があり、口座の条件やメンタル面で向き不向きが分かれるEAです。
スプレッドの狭さ、勝率の低さ、通貨ペアの組み合わせなど、成績以外の条件もあわせて確かめる必要があります。
BreakingMagnum
BreakingMagnumブレイク系のEAです。スキャルピングのブレイク系は扱いが難しく、初心者にはおすすめできません。
デモ口座のフォワードは成績がよく見えますが、実際の口座ではスプレッドやスリッページとの戦いになります。
LIGHTHOUSE
LIGHTHOUSE最大ストップロスとテイクプロフィットのバランスがよく、最大ストップロスが30pipsなので資金効率もよいEAです。
トレードは朝方に行う朝スキャの部類で、朝方のスプレッドが狭い業者を選びたいところです。フォワードも2017年2月からと長く、評価する価値のあるEAです。ただ、2026年9月時点の直近2年はほぼ横ばいで推移しています。
コイノボリ
コイノボリフォワードでは爆益をたたき出しているEAです。ただ、利益が大きいのは複利で運用しているためだと思われます。
勝率は高くないため、連敗に耐えるメンタルに自信がないならおすすめしません。特性を理解したうえで使えば、資金を大きく増やせる可能性もあります。
3本の矢
3本の矢長期のフォワードで通算の利益を出しているEAです。3通貨ペアにマイナー寄りの通貨も含みながら、2018年から長く利益を積み上げてきた点は評価できます。
ただし、2026年9月時点では直近1年・2年ともプロフィットファクター0.85前後と負け越しており、以前ほど安定しているとは言えません。
よくある質問
Q1. MT4のEAのレビューはある?どこで見られる?
A1. あります。ゴゴジャンなどの販売サイトでは、商品ページでバックテストとフォワードの成績、購入者のレビューを確認できます。このページでは、ゴゴジャンで販売されているEAを4つの視点でタイプ別にレビューしています。
Q2. EAの評価で最初に見るべき項目は?
A2. 最大ポジション数です。ナンピン型か1ポジ型かで、同じ勝率でもリスクの取り方がまるで違います。そのうえで、損切りと利確のバランス、フォワードの期間、ロジックの扱いやすさを確かめます。
Q3. 勝率が高いEAなら安心して使える?
A3. 勝率だけでは判断できません。ナンピンで決済を先送りできる設計なら、勝率は高く出やすくなります。損切り100pipsに対して利確10pipsなら、勝率90%でも収支はわずかにマイナスです。
Q4. フォワードが長いEAなら信頼できる?
A4. 重要な判断材料ですが、それだけでは足りません。2年ほど好調だったGZ_RSI_multi_M5のように、長く好調だったEAがその後崩れることもあります。フォワードの推移とあわせて、最大ポジション数や損益のバランスも確かめてください。
Q5. 損切り幅(ストップロス)の違いは何に影響する?
A5. 同じ許容損失で張れるロットに影響します。1回の負けを100万円の2%(2万円)に抑える場合、クロス円で損切り30pipsなら約6.6万通貨、300pipsなら約0.66万通貨です。損切りが狭いEAほど資金効率がよくなります。
Q6. ナンピンEAは使わないほうがいい?
A6. 必ず避けるべきとまでは言えませんが、注意点を理解したうえで使う必要があります。最大ポジション数をすべて抱えた場面を想定して、1ポジションあたりのロットを抑え、口座資金に余裕を持たせてください。
EAレビューのまとめ|タイプで選び方が変わる
1ポジション型なら損切り幅、ナンピン・マーチン型なら最大ポジション数と口座資金の余裕、癖のあるロジックなら口座の条件。同じ「安定」をうたうEAでも、見るべき数字はタイプごとに変わります。
商品ページの勝率やキャッチコピーより先に4つの視点で中身を確かめておけば、買ったあとで想定外の含み損に驚く場面は減らせます。
EA選び全体の手順は初心者でもわかる11のポイントで見る失敗しないMT4 EAの選び方、フォワード実績で絞り込んだEAはゴゴジャンEAおすすめ11選【フォワード実績で厳選】で紹介しています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定のEA・金融商品の売買を推奨するものではありません。FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証されておらず、レバレッジにより預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。記事内の成績・数値は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。



