仲値EAは本当に勝てるのか、その実力や選び方を知りたい。そんな疑問に応えるのが本記事です。
仲値トレードとは何か、なぜ午前9時55分に向けてエントリーするのか、どのようなロジックで安定した利益が見込めるのかをわかりやすく解説しながら、実際に右肩上がりの実績をもつ仲値EAを厳選して紹介していきます。
カーブフィッティングの懸念が少なく、根拠のある仕組みに支えられた仲値EAは、フォワード成績も好調で、資産を着実に増やす手段となり得ます。
この記事を読むことで、仲値EAの仕組み・活用法・おすすめのEAまでが網羅的に理解でき、自分に合ったEAを選べるようになります。
仲値EAとは?

仲値(なかね)とは、日本の銀行が毎営業日の午前10時に公表する為替レートの基準値です。
午前9時55分時点のドル円相場をもとに、TTS(電信売相場)とTTB(電信買相場)と呼ばれるレートの中間値として算出されます。
このタイミングが重要視される理由は、企業が外貨決済のためにドルを買う動きが午前9時55分に集中するためです。
特に月末や五・十日(ごとおび)などの資金移動が活発な日には、仲値に向けてドル需要が高まり、ドル円相場が上昇する傾向があります。
この特性を利用して、午前9時55分に向けての相場上昇を狙うのが「仲値トレード」です。
そして、仲値トレード戦略を実現するEAが「仲値EA」です。
仲値EAの強み
仲値EAの最大の特徴は、「特定の時間帯に絞った明確な優位性」に基づいて設計されている点です。
以下のような利点があります。
このように、仲値EAは「時間帯×需給のクセ」を戦略に取り込んでいるため、ロジックが単純かつ再現性が高いのです。
カーブフィッティングについては以下の記事を参考にしてください。
仲値EAは勝てるか?
仲値EAは、実際のフォワードテストで安定したパフォーマンスを示しているものが多く、他の手法と比べても勝てる可能性が高いと考えられます。
なぜなら、インジケーターの単なる組み合わせではなく、市場の実需に基づく「仲値」という明確なロジックを活用しているためです。
テクニカル指標だけ頼りにしたEAと比べると、安定性や再現性が高いといえるでしょう。
特に、バックテストだけでなく実運用でも一貫して利益を出しているEAに関しては、今後も期待が持てます。
実際に作って試してみる
仲値EAの作成はシンプルです。
特定の時間にエントリーし、別の決まった時間にクローズするだけで、トレード結果が右肩上がりになる可能性があります。
私自身も実際に仲値EAを自作して動かしてみました。仕組みは非常に単純ですが、しっかりとした結果を出してくれました。
どんなロジックで動くのか?
- 毎営業日、決まった時刻に自動でエントリー
- 数時間後、もしくは指定したタイミングで自動的にクローズ
- これを繰り返すだけの構造
以下の感じで右肩上がりのEAが作り出せます。単純な手法でここまで勝てるのは魅力的です。

仲値EAはどれを選べばいいか
今や仲値EAはFX自動売買界隈で定番の存在となり、多くの投資家が自分のポートフォリオに組み込むようになっています。
しかし、その選択肢が増えるにつれ、「どの仲値EAを選べばよいのか?」という悩みがふえます。
仲値EAにはそれぞれの特徴やリスク、運用方針があります。
短期的な利益を狙うタイプもあれば、安定性を重視するものもあり、自分の投資スタイルと噛み合うものを見極める必要があります。
実際に人気を集めている仲値EAをいくつか取り上げ、それぞれの違いやポイントを紹介していきます。選ぶ際の参考にしてみてください。
東京仲値
取引履歴を見ると、ほぼ毎日9時30分に買いでエントリーし、9時55分に決済しているのが確認できます。
スキャルピングを目的とした、非常に短時間のトレードが特徴です。
エントリーロジックの特徴:
- エントリータイミングは固定:基本的に午前9時30分に買いでポジションを取ります
- 決済は約25分後:買いポジションの大半は、午前9時55分にはクローズされます
- 売りの決済は不規則:売りエントリーの決済タイミングには一定のバラつきがあります
つまり、買いの戦略は時間的なルールがはっきりしており、シンプルで再現性の高い設計です。
ロジック自体は非常にシンプルであるにもかかわらず、このEAは2017年から現在に至るまで、フォワードで一貫して利益を上げ続けているという実績があります。
シンプルだからこそ相場環境に柔軟に対応できており、過剰な最適化によるパフォーマンス低下を回避できているのかもしれません。
東京神話
「東京神話」は、ロビンスカップ受賞者によって開発されたという経緯からも、性能に対する信頼度は高いと言えるでしょう。
価格は他の仲値EAと比べてやや高めに設定されていますが、その分、実力のある設計者が手掛けたという安心感があります。
特徴は、ゴトー日や金曜日の前夜にポジションを取る点にあります。
高い勝率とプロフィットファクターを維持しており、その実績は非常に好調です。
短期間でも成果を出していることから、多くのトレーダーの注目を集めています。
ただし、1つ注意したいのが、このEAはスキャルピング寄りの手法である点です。
そのため、最大ストップロスに達した場合に大きなドローダウンが発生するリスクがあります。
リスク管理をしっかり行いながら運用することが重要です。
時間は平等
このEAは、時間や曜日による取引の制御が可能で、裁量トレーダーにも嬉しい柔軟性を持っています。
シンプルな設定のままでも十分に機能しますが、自分のスタイルに合わせてカスタマイズすることで、より高いパフォーマンスを引き出せます。
また、ドル円だけでなく、他の通貨ペアでも有望な設定が見つかれば、収益性はさらに広がります。
通貨ごとの特性を活かして稼働時間を最適化すれば、より効率的な運用も目指せるでしょう。
ルールメイカー
仲値EAとしても使えるし、カスタマイズしても使える万能なEAです。
公式のフォワードテストでは目立った成績を残していないものの、高度なカスタマイズ性を持つため、扱い方次第で大化けするポテンシャルがあります。
特に、裁量トレードやアルゴリズム構築の経験がある上級者向けのEAです。
このEAの特徴は、「時間は平等」よりもさらに柔軟に設定を変更できる点にあります。具体的には以下のようなパラメーターを調整可能です。
カスタマイズ可能なポイント
- RSIやボリンジャーバンドの数値設定
- 通貨ペアの選定
- トレードのエントリー・エグジット条件
これらを組み合わせることで、自分だけの完全オリジナルEAを構築できます。
開発者が複数のセットファイルを事前に用意しているため、初心者でも設定のバリエーションを試しながら運用可能です。
また、運用を続ける中で自分に合った設定を見つけたら、オリジナルのセットを自作するのもおすすめです。
gotobi
五十日(ごとおび)に特化した仲値EAです。
五十日とは、毎月の5・10・15・20・25・30日などの「5の倍数の日」のことで、企業の決済や送金などが集中しやすく、為替市場でもドル需要が高まりやすい特徴があります。
このEAは、五十日特有のドル買いの流れを狙う設計になっており、トレードは買い(ロング)のみを行います。
売りは一切行わず、特定の日に限定してポジションを取るため、エントリー回数は少なくなります。
むやみにポジションを持たず、狙うべき日だけに集中するため、無駄なトレードを避けられるのが強みです。
五十日というタイミングに信頼性を感じていて、「月に数回でも良いから勝率の高いトレードをしたい」という方には、特に向いているEAです。
アノマリーマスター
アノマリーマスターは、4つの異なるロジックを組み合わせた自動売買EAです。
2021年にリリースされて以来、パフォーマンスは安定しており、多くのトレーダーの注目を集めています。
このEAの特徴は、単一の手法に依存せず、複数のアノマリーを活用して取引する点にあります。
それぞれのロジックが異なる時間帯や市場状況に対応しているため、リスク分散の観点からも優れています。
Hydrangea
私が自信を持っておすすめするEAがHydrangeaです。
取引頻度は控えめですが、そのぶん一つひとつのトレードにおける精度とリスク管理が際立っています。
特に注目すべきは最大ストップロスが30pipsという極めて狭い設定。
これにより、ロット数を大きく設定してもリスクを抑えた運用が可能となり、少ないトレードでも効率よく利益を狙える設計になっています。
また、フォワードテストで安定した右肩上がりの資産曲線を示している点も大きな安心材料です。
バックテストだけでなく、実運用環境でもその優位性が証明されているのは非常に心強いポイントです。
さらに、開発者自身もこのEAをリアルマネーで運用していることから、その信頼性には裏付けがあります。
EAにとって大切なのは、開発者が本気で運用に向き合っているかどうか。
その意味でも、Hydrangeaは信頼できる仲値EAとして、まず最初に検討すべき選択肢だと言えます。
まとめ:どの仲値EAを選べばいいか?
仲値EAに興味を持った方が悩むのが、「結局どの仲値EAを選べばいいの?」という点でしょう。
仲値EAにはさまざまな種類があり、それぞれに強みや特徴があります。どれを選ぶべきかは、あなた自身の投資スタイルや目的によって異なります。
- とにかくシンプルで安定した運用をしたい方には、長期間フォワード実績があり、時間固定で動作する「東京仲値」がおすすめです。
- 裁量を少し入れたい中上級者の方には、自分で調整しながら運用できる「ルールメイカー」や「時間は平等」がフィットするでしょう。
- 勝率重視で、多少のリスクも取れる方には、「東京神話」や「Hydrangea」のような攻めのEAが魅力的です。
- エントリー回数を絞って、厳選されたタイミングでの売買をしたい方には、「gotobi」のような五十日特化型EAが有効です。
- リスク分散を図りたい方は、「アノマリーマスター」のような複数ロジックを搭載したEAを選ぶことで、バランスの良い運用が期待できます。
どのEAも一長一短がありますが、「自分が求める運用スタイルと一致しているか?」を見極めることが重要です。