ブレイクアウトEAは、高値・安値やサポート/レジスタンスラインを価格が抜けた瞬間に、自動でエントリーするMT4のEAです。
ストップ注文の連鎖という明確な根拠がある一方、だましとスプレッドには弱い手法でもあります。
無料で試せるのは、TRADERS-proのSeagull USDJPYとEA-BANKのMB-TradingSystemの2本です。有料ではブレイクスキャルシステムが2026年9月時点でも販売中です。
そのブレイクスキャルシステムの勝率は92.57%。高く見えますが、損益が釣り合う勝率は約90.2%で、余裕は2ポイントほどしかありません。
この記事でわかること
- ブレイクアウトが起こる仕組みと、レンジブレイク・時間帯ブレイクなど手法の種類
- 勝率と平均損益から損益分岐勝率を出す計算式と試算例
- だまし(フェイクブレイク)を減らすフィルターと業者選びの条件
- 無料2本・有料1本のブレイクアウトEAの2026年9月時点の状況
※ブレイクのイメージ

なぜブレイクアウトが起こる?
投資家は損失を抑えるために「ストップ注文」を出します。この注文は最近の最高値・最安値、レジスタンスライン、サポートラインの付近に集中しています。高値・安値やラインを超えると多くのストップ注文が一斉に実行され、買いや売りが連鎖して価格が一方向に大きく動きます。
ラインを抜けた瞬間に何が起きる?
① ライン付近にストップ注文が溜まる
② ラインを超えると一斉に実行される
③ 買いが連鎖して価格が一方向へ
ブレイクアウトが起こる仕組み
ブレイクアウトEAの種類(ライン別・手法別)
ひと口にブレイクアウトEAといっても、中身は二つの軸で分かれます。一つは「どのラインを抜けたらブレイクとみなすか」、もう一つは「いつ・どうやって抜けたと判定するか」です。
同じ高値ブレイクでも、東京時間のレンジを使うか前日の高値を使うかで、取引回数もだましの出方も変わります。
何を抜けたらブレイクか(ライン別)
ブレイクアウトの4つの種類
高値・安値からのブレイク
- 過去の重要な高値や安値を超える動き
ラインのブレイク
- レジスタンスやサポートラインを突破・割り込む
チャネルのブレイク
- トレンドラインで作るチャネルを突破する
インジケーターのブレイク
- 移動平均線やボリンジャーバンドを基にする
いつ・どう判定するか(手法別)
EAの商品説明で目にする「レンジブレイク」「時間帯ブレイク」は、判定のしかたによる分類です。代表的な5つを並べます。
注文の出し方にも二通りあります。ラインの少し外側に逆指値(BUYSTOP/SELLSTOP)を置いて待つ型は、ブレイクの瞬間に約定できる反面、ヒゲだけ抜けた動きでも約定します。
足の確定を待って成行で入る型は、だましを減らせる代わりにエントリー価格が不利になります。後で紹介するMB-TradingSystemは前者の逆指値型です。
ライン別・手法別に性格の違うブレイクアウトEAを組み合わせれば、ポートフォリオのリスクを分散できます。
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ブレイクアウトEAは勝てる?
ブレイクアウトEAで勝つことは可能です。理由は2つあります。
- 価格の動き(プライスアクション)そのものを分析するため、市場の実態に基づいた取引ができる
- テクニカル指標を組み合わせただけのEAと違い、「ストップ注文の連鎖」という明確な根拠がある
実際に、ブレイクアウト手法で収益を上げているEAの例もあります。ただし、業者やスプレッドの違いで成績が大きく変わる手法です。
試算:勝率92%でも余裕は2ポイント(損益分岐の計算)
ブレイクアウトEAの成績は、勝率だけでは判断できません。勝ちと負けの平均額の比率で、損益がちょうどゼロになる勝率(損益分岐勝率)が決まるからです。
損益分岐勝率 = 平均損失 ÷(平均利益 + 平均損失)
ブレイクスキャルシステムの2026年9月時点のフォワード(ゴゴジャン公開値)で計算してみます。平均利益356円・平均損失3,284円なので、3,284 ÷(356+3,284)=約90.2%です。
実際の勝率は92.57%(3,915回中3,624勝)。損益分岐との差は約2.3ポイントで、1回あたりの期待値は 0.9257×356 − 0.0743×3,284 ≒ 85円になります。
スプレッドの広い業者で利益幅が削られたり、スリッページで損切りが深くなったりすると、損益分岐は91%台まで上がります。勝率が2.4ポイントほど下がって90.2%を割り込むだけで、期待値はマイナスに転じます。
小さく利確して高勝率を狙うブレイクアウトEAほど、業者の差がそのまま成績の差になるのはこのためです。
反対に、損小利大型は勝率が低くても成り立ちます。MB-TradingSystemの固定SL/TP(EA-BANK掲載値)だけで決済したと仮定すると、損益分岐勝率は次のとおりです。
※いずれもスプレッド・手数料・スリッページを含まない単純計算です。MB-TradingSystemは実際にはトレーリングストップでも決済するため、目安として見てください。
あわせて読むブレイクアウトEAのメリット・デメリット
ブレイクアウトEAは、短時間で決着して損切りを浅くできる反面、スプレッド・スリッページ・だましの影響を強く受けます。
ブレイクアウトEAのだまし(フェイクブレイク)はどう防ぐ?
だましに対応するロジックが組み込まれていないEAは、エントリー精度が低く安定しません。EAを選ぶとき・作るときは、次のようなフィルターの有無を確認しましょう。
ブレイクアウトEAに向いた業者の条件
ブレイクアウトEAは業者選びが成績を左右します。次の条件を満たす業者で稼働してください。
- スプレッドが狭く、指標時の拡大が小さい:ブレイクは指標で起きやすい
- 約定力が高く、スリッページが小さい:ブレイクの瞬間は約定が滑りやすい
- ストップレベルが小さい:浅いストップロスを置けるか
- EA・スキャルピングの制限がない:短時間の連続取引を制限する業者がある
初心者でもわかる11のポイントで見る失敗しないMT4 EAの選び方MT4 EAの選び方を11のポイントで徹底解説【2026年版】。PF(プロフィットファクター)・最大ドローダウン・バックテスト期間・フォワードテストなど、失敗しないEA選定に欠かせない判断基準を初心者にもわかりやすく整理しました。
おすすめのブレイクアウトEA3選(無料2・有料1)
ここからは、実際に入手できるブレイクアウトEAを3本紹介します。2本は無料で使え、1本は有料です。
販売・提供状況と成績は2026年9月時点で各商品ページを確認した内容です。EAは予告なく販売終了や仕様変更があるため、導入前に最新の状況を確かめてください。
ブレイクスキャルシステム
有料EAで、2015年1月の販売開始から10年以上販売が続いているブレイクアウトの代表的なEAです。
2026年9月時点のフォワードは収益336,466円、推奨証拠金183,790円に対する収益率は183.07%、最大ドローダウンは8.22%です。
販売ページの説明では「ブレイクアウトの瞬間は価格が跳ね上がるポイントである」という普遍的な性質を狙い、その瞬間を掠め取ることを戦略にしています。r9で「建値ストップモード」に対応し、建値+αを確保するとストップを建値+0.5pipsに移動してドローダウンを軽減します(デフォルトON)。
ゴゴジャンでの購入数は478本、購入者レビューは5点満点で3.7(13件)です(2026年9月時点)。
フォワードSeagull USDJPY
TRADERS-proで無料で使えるEAなので試してみるのもよいでしょう。2026年9月時点でもフォワード実績は「近日開始予定」のままで、性能は商品ページのバックテスト(2015年1月〜2018年11月、PF1.95)でしか確認できません。
ロジックは、レジサポ(レジスタンス・サポート)にグリッドトレードのように複数の注文を置いてブレイクアウトを狙うスキャルピングです。
MB-TradingSystem
EA-BANKで無料で使えるEAです。2018年3月公開のブレイクアウトEAで、高値・安値とその他のインジケーターを参照してトレードします。下の画像は2022年4月時点のフォワードで、当時は右肩上がりでした。

詳細とフォワードはEA-BANKの商品ページで確認できます。
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ブレイクアウトEAはスプレッド・スリッページの影響を受けやすく、環境で差が出やすいのでフォワードの通りになるとは限りません。なるべくスプレッドが狭く、スリッページが少ない業者での稼働を推奨します。
ブレイクアウトEAのよくある質問
ブレイクアウトEAについて、検索でよく調べられている疑問をまとめました。無料EAの有無、勝率の見方、だまし対策、業者選びが中心です。回答中の数値は2026年9月時点の公開データで、根拠は本文の試算と比較表にあります。
Q1. ブレイクアウトEAとは何ですか?
A1. 高値・安値やサポート/レジスタンスライン、チャネルラインなどを価格が抜けた瞬間にエントリーするEAです。ライン付近にたまったストップ注文が連鎖して、価格が一方向に大きく動く性質を狙います。
Q2. 無料で使えるブレイクアウトEAはありますか?
A2. あります。本記事で紹介したSeagull USDJPY(TRADERS-pro)とMB-TradingSystem(EA-BANK)は、2026年9月時点で無料で提供されています。入手にはどちらも、会員登録と、サイト経由で提携FX業者の口座を開設して10万円(または1,000ドル)以上を入金することが必要です。Seagull USDJPYはリアル口座専用です。
Q3. ブレイクアウトEAは勝率がどのくらいあれば勝てますか?
A3. 勝率だけでは決まりません。損益分岐勝率=平均損失÷(平均利益+平均損失)を計算し、実際の勝率がそれを上回るかを見ます。ブレイクスキャルシステムは損益分岐が約90.2%で、勝率92.57%でも余裕は約2.3ポイントです(2026年9月時点のフォワードで試算)。
Q4. ブレイクアウトのだましはどう防げばよいですか?
A4. 完全には防げないため、フィルターで減らします。ATRなどのボラティリティ条件、ロンドン・NY時間への限定、足の確定を待つエントリー、ラインからの抜け幅の条件、重要指標前後の停止、建値ストップが代表例です。
Q5. レンジブレイクと時間帯ブレイクの違いは何ですか?
A5. レンジブレイクは一定期間の高値・安値を抜けたら入る手法です。時間帯ブレイクは、ロンドンやNYの取引開始直後の高値・安値に絞って判定します。出来高が増える時間に限定できる反面、指標発表と重なると滑りやすくなります。
Q6. ブレイクアウトEAに向いているFX業者は?
A6. スプレッドが狭く指標時の拡大が小さいこと、約定力が高くスリッページが小さいこと、ストップレベルが小さいこと、EA・スキャルピングの制限がないこと。この4点を満たす業者が向いています。
まとめ
- ブレイクアウトはストップ注文の連鎖で起こる。根拠が明確でEA化しやすい
- レンジブレイク・時間帯ブレイク・ドンチャンなど、判定のしかたでEAの性格が変わる
- 短時間で完結しストップが浅い反面、スプレッド・スリッページ・だましに弱い
- ボラティリティ・時間帯・確定足・建値ストップなどのフィルターがあるEAを選ぶ
- 業者はスプレッドが狭く約定力の高いところを選ぶ。成績は業者で大きく変わる
- 勝率だけで選ばない。損益分岐勝率=平均損失÷(平均利益+平均損失)で、実際の勝率との差を確かめる
- 紹介したEAは、有料がブレイクスキャルシステム、無料がSeagull USDJPY(TRADERS-pro)とMB-TradingSystem(EA-BANK)






