MT4やMT5でEAによるFX自動売買を安定して稼働させたいと考えたとき、最も重要なのがVPS(仮想専用サーバー)の選定です。
自宅PCを使うよりも安定性が高く、24時間稼働や停電・通信トラブルのリスク軽減が期待できる一方で、どのVPS業者が最適なのか分かりにくいのも事実です。
本記事では、料金・スペック・Windows Server対応・サポート体制・リモート接続のしやすさなどを比較し、EAをスムーズに運用するためのベストな選択肢を提示します。
国内外のVPS業者の違いや無料VPSの活用法、FX自動売買に必要な安定環境までを徹底解説。
読み終える頃には、あなたに最適なVPSを見つけ、すぐに自動売買を始められる状態になっているでしょう。
VPSとは?

VPSは「バーチャル・プライベート・サーバー(Virtual Private Server)」の略で、物理的なサーバーを仮想的に分割して、ユーザーごとに専用の環境を提供する技術です。
簡単に説明すると、オンライン上に存在するあなた専用のパソコンのようなものです。
普段使っている自宅のPCと同様に操作が可能で、24時間電源を切らずに稼働させることができます。
EAの稼働を行う場合、24時間稼働するPCが必要になるため、VPSはEAを運用するために便利な存在となっています。
VPS比較
まずは各VPSの比較表から見てみましょう。
メモリ1G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
Windowsが使えるさくらのVPS W1G | 1G/2 | 50G SSD | 1,210/無料 |
ConoHa for Windows Server WIN1GB | 1G/2 | 100G SSD | 1,392/無料 |
メモリ2G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
ABLENET Win1 SSD | 2G/2 | 60G SSD | 2,208/無料 |
ABLENET Win1 HDD | 2G/2 | 100G HDD | 2,208/無料 |
お名前.com デスクトップクラウド メモリ 2GB | 2G/3 | 150G SSD | 2,640/無料 |
ConoHa for Windows Server WIN2GB | 2G/3 | 100G SSD | 2,783/無料 |
Windowsが使えるさくらのVPS W2G | 2G/3 | 100G SSD | 2,219/無料 |
メモリ3G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
お名前.com デスクトップクラウド メモリ 3GB | 3G/2 | 150G SSD | 3,630/無料 |
ABLENET Win2 SSD | 3.5G/3 | 120G SSD | 2,685/無料 |
ABLENET Win2 HDD | 3.5G/3 | 100G HDD | 2,685/無料 |
メモリ4G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
お名前.com デスクトップクラウド メモリ 4GB | 4G/3 | 150G SSD | 4,620/無料 |
ConoHa for Windows Server WIN4GB | 4G/4 | 100G SSD | 5,433/無料 |
Windowsが使えるさくらのVPS W4G | 4G/4 | 200G SSD | 4,290/無料 |
メモリ5G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
お名前.com デスクトップクラウド メモリ 5GB | 5G/3 | 150G SSD | 5,610/無料 |
メモリ6G代
メモリ8G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 | サーバー場所 |
お名前.com デスクトップクラウド メモリ 8GB | 8G/8 | 150G SSD | 7,260/無料 | 日本,アメリカ |
ConoHa for Windows Server WIN8GB | 8G/6 | 100G SSD | 10,721/無料 | 東京 |
Windowsが使えるさくらのVPS W8G | 8G/6 | 400G SSD | 8,975/無料 | 大阪,石狩 |
メモリ9G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
お名前.com デスクトップクラウド メモリ 9GB | 9G/8 | 150G SSD | 8,250/無料 |
メモリ10G代
メモリ16G代
プラン | メモリ/CPU | ディスク容量 | 月額/初期費用 |
ABLENET Win6 SSD | 16G/8 | 150G SSD | 16,002/無料 |
ConoHa for Windows Server WIN16GB | 16G/8 | 100G SSD | 20,183/無料 |
VPSの選び方
VPSは、多くの業者やプランが提供されており、どれを選べばよいか迷うこともあるでしょう。
この記事では、VPSを選ぶ際に注目すべきポイントについて解説します。
ただし、「このVPSが絶対におすすめ」と一つに絞って紹介しているサイトには注意が必要です。
最適なVPSは、利用目的や予算、スキルレベルなど、個々のニーズによって異なるからです。
自分に合ったVPSを見つけるための参考にしてください。
初心者の場合
もしEAを稼働したことがない初心者の方でしたらWindowsが使えるさくらのVPSW1Gを選んでください。
理由はこれが1番安いからです。まずは1ヶ月だけ契約してみてください。
VPSの理解が深まったら他のVPSを検討しましょう。
他サイトのVPSランキングとかは見ても時間の無駄なのでやめましょう。
VPSは初心者にとっては正直こだわりが無ければどれも大差ありません。
なぜなら、ただのパソコンだからです。値段とスペックだけを見てVPS選びには時間をかけずにEAの勉強をしていきましょう。
以降はVPSにこだわりたい人向けの情報です。
VPSのメモリを見る
メモリは、VPS上で稼働させるMT4やEAの数を決める重要な要素です。
適切なメモリ容量を選ぶことで、スムーズな運用とコストの最適化が可能になります。
メモリ容量が少なすぎる場合
稼働可能なMT4やEAの数が制限され、運用に支障が出る可能性があります。
メモリ容量が大きすぎる場合
必要以上に高性能なVPSを契約すると、費用が無駄になる場合があります(オーバースペック)。
適切なメモリ容量の選び方
運用したいMT4やEAの数に応じて、以下の目安を参考にメモリ容量を選びましょう。
メモリ | MT4の推奨稼働数の目安 |
1G | 1くらい |
2G | 2くらい |
3G | 4くらい |
4G | 8くらい |
MT4やEAの動作は、実際の設定や使用しているインジケーター、データ量などによって異なるため、目安として考えてください。
必要に応じて、VPSのスペックを柔軟に変更できるサービスを選ぶのも一つの方法です。
効率的な運用のために、自分のニーズに合ったメモリ容量を選択しましょう。
VPSのサーバーの場所を見る
VPSのサーバーの場所を確認して選ぶ方法
VPSの設置場所は、利用するFX業者のサーバーに近いものを選ぶことが重要です。
サーバー間の距離が近ければ近いほど、通信遅延が少なくなり、よりスムーズなトレードが可能になります。
遅延を減らすメリット
特にスキャルピングや高頻度取引を行う場合、通信遅延がトレードの成績に大きく影響を与えることがあります。
遅延が少ない環境を整えることで、トレードの精度を高めることができます。
VPS選択のポイント
• FX業者のサーバー所在地を確認
まず、自分が利用しているFX業者のサーバーがどこにあるかを調べましょう。
• 近い場所のVPSを選択
FX業者のサーバーに最も近い地域のVPSを選ぶことで、通信遅延を最小限に抑えられます。
• 上級者向けEAでの重要性
特にスキャルピングや高度なEAを使用する場合は、遅延の削減がトレードの成果に直結します。
VPSの契約期間
VPSを契約する際、1年単位で契約すると月額料金が安くなる場合があります。
そのため、長期間使用する予定で、契約後にメモリを変更しないと決めている場合には、1年契約を選ぶのも良い選択です。
しかし、契約期間中にMT4を追加したり削除したりする場合、メモリの変更が必要になることもあります。
よって、以下のような場合には注意が必要です
- 複数のVPSを試してみたい
- 稼働させるMT4やEAの数が変動する可能性がある
こうした状況が予想される場合、1か月単位で契約する方が柔軟性が高く、いつでも別のVPSに乗り換えやすいというメリットがあります。
ディスク容量とSSDかHDDか?
MT4を動作させる目的でVPSを使用する場合、大容量のディスクは必要ありません。
通常、50GB程度の容量があれば十分です。
特に大きなファイルを保存したり、大量のデータを処理したりする予定がない場合は、ディスク容量を優先して考える必要はありません。
ディスクのタイプは、動作のスピードに影響します。SSDはHDDと比べて処理速度が速いため、MT4のパフォーマンス向上が期待できます。
予算に余裕がある場合は、SSDを採用しているVPSを選ぶことをおすすめします。
SSDを選ぶことで、システム全体の反応速度が向上し、より快適な操作が可能になります。
VPSの安定性を見る
コストパフォーマンスに優れたVPSであっても、頻繁に停止するようでは、EAの運用に不安が生じます。
VPSが停止するとEAも動作を停止し、予期せぬ損失につながる可能性があるため、安定性は非常に重要なポイントです。
現在、各VPSの安定性を示す具体的なデータは多くありません。
そのため、契約を決める前に、SNSや特にTwitterでVPSの名前を検索し、「サーバーが落ちた」といった投稿が多く見られないか調査することをお勧めします。
口コミを参考にすることで、自分の用途に合った信頼できるVPSを選ぶ手助けになるでしょう。
オススメのVPS
まずオススメしたいのがお名前.com デスクトップクラウドメモリ2GBです。
このVPSは2、3個のMT4を起動する前提で、余裕があるメモリ2Gですが、値段がリーズナブルです。
他には、FX業者(ブローカー)のサーバーとの相性も見て選択しましょう。
例として、OANDA Japan FX 東京サーバーでEAを稼働させたい場合は、VPSとFX業者(ブローカー)をどちらも東京にして、物理的距離を近づけて通信遅延を減らしましょう。
(物理距離だけが通信速度や安定に繋がるわけではないですが、なるべく距離は近めに)
最安のVPS
とりあえず安さだけで選びたい場合はWindowsが使えるさくらのVPSW1Gになります。
メモリ1GでSSD搭載で1,210円なのでコスパがいいです。EAの稼働数が少ない場合は最安VPSも選択肢になってくるでしょう。
VPSなし、ノートパソコンでの運用
VPSを紹介しましたが、VPSなしでノートパソコンやデスクトップパソコンでMT4、EAを動かすのもありです。
ただし、必要な条件を満たしていることが重要となります。
システム要件
最初に確認するべきは、システム要件です。MT4は軽いソフトなので、多くのノートパソコンで動作するでしょう。
しかし、多数のEAを同時に動作させる場合や、大量のチャートやインディケータを利用する場合、他のソフトも同時に動かしたい場合には、CPUやメモリなどのリソースが必要になります。
24時間稼働
理想的にはEAは24時間稼働するべきです。
なぜなら、常に取引の機会を監視しているからです。(バックテストも24時間稼働する想定で動いてます)
よって、ノートパソコンを24時間稼働させる必要があります。
電源供給とネットワーク接続
ノートパソコンは定期的に充電が必要で、充電がなくなるとEAは動作を停止します。
同様に、インターネット接続も安定していることが必要です。
結論
ノートパソコンでMT4のEAを動かすことは可能ですが、システム要件、24時間稼働、安定した電源供給とネットワーク接続など、いくつかの要因を考慮する必要があります。
それらが確保できない場合には、VPSなどの他の解決策を探すことをお勧めします。
一番大切なのは、自身で使うEAに最適な環境を整えることです。
まとめ
今回はEAを24時間稼働させるための最適なVPSサービスを比較紹介しています。
記事では、VPSとは何か、VPSの選び方、オススメのVPSなどを詳しく解説しています。
選び方のポイントとして、VPSのメモリ、サーバーの場所、契約期間、ディスク容量と種類(SSDかHDDか)、およびVPSの安定性が挙げられています。
オススメのVPSとしては、お名前.comデスクトップクラウド(メモリ1.5GBや2.5GB)やConoHa for Windows Server(WIN1GB)を紹介しました。
FXトレーディングを効率化し、利益を最大化するために、自分に合ったVPSサービスを見つけてみてください。