EAを使ってトレードしていると「手動決済しようかな」と考えたことはありませんか。
この記事では私がMT4での手動決済方法をわかりやすく解説し、そのメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
私が実際に経験したことや試行錯誤をもとに、手動決済の活用法をお伝えします。
EAの手動決済方法手順
手動決済の方法についてPCとスマホのMT4それぞれの場合の手順を説明します。EA手動決済をする前に必ずEAを一時停止もしくはチャートから削除してから行ってください。手動決済した直後にEAが同じポジションを持ってしまう可能性があるためです。
PCの場合
赤枠の×ボタンを押せば手動決済ができます。

もし、×ボタンを押しても決済できない場合は、「ツール」→「オプション」をクリックします。

ワンクリック取引にチェックを入れます。

免責事項を読んで同意できれば「私はこれらの利用規約に同意します。」にチェックをして「OK」ボタンを押します。

再度×ボタンを押せば手動決済ができます。
MT4のスマホアプリの場合
MT4のスマホアプリの場合、まずはトレードタブを開きます。
トレードタブを開いたら手動決済したいポジションを選択して左にスワイプします。
すると4つの記号がでてきますので下の画像のようにチェックマークをタップします。

「Close with~」をタップすると手動決済完了です。

EAの手動決済メリット
EAの手動決済のメリットとしては、急な値動きから資金を守れる点が挙げられます。
EAは急な値動きを想定して作られているものが少ないので、要人発言、指標発表の前後は手動決済によってEAを停止させて資金を守ることができます。
EAの手動決済デメリット
バックテストとは違うことをしているのでバックテスト結果と乖離します。
また、EAのエントリー条件を把握していないと、手動決済した後にすぐにまたEAかポジションを持ってしまう可能性もあります。
手動決済のタイミングはいつが適切か?
手動決済の適切なタイミングについては以下の通りです。
指標の発表前後
指標の発表前後はチャートの値動きが急に大きくなります。このような時にEAを停止させることは選択肢の1つとしてはありです。
EAの設定を誤っていた時
EAの設定を誤った場合とは例えば、ロットを想定よりも大きくしてしまったり、その他のパラメータ設定を誤ったりした時です。
このような場合はすぐにでもEAを停止してEAを再設定をするべきです。
他のEAが一斉に同じ方向にポジションを持っている時
同じEAが同じ方向に一斉にポジションを持っているとそれだけリスクが増大します。
このような事態はそもそもポートフォリオの見直しが必要なのですが、一時的にEAを手動決済するのはありです。
VPS、MT4、EAが落ちてしまった時
VPS、MT4、EAが落ちてしまった時はポジションだけ持っていて最悪の場合、ストップロスが設定されておらず損失が無限に大きくなってしまうことがあります。
そのような事態になった場合、すぐさまEAを手動決済しなければなりません。
手動決済は基本的にいけないこと

EAの手動決済のタイミングについて説明しましたが、手動決済は明確な理由がない限り基本的にNGです。
手動決済判断ができるなら裁量トレーダーになれる
手動決済判断ができるくらい優れているトレーダーならEAなんて使わない方が良いです。
手動決済の判断ができるならそれはもはや裁量取引です。EAトレーダーではなく裁量トレーダーになるべきなのです。
EAは過去何年もの期間で利益を出しているバックテストという証拠があるのに、それを無視して手動決済してはバックテスト通りの利益を得ることはできません。
もちろん、EAの特性を理解し、手動決済した時のデータを取って検証している場合はOKです。例えば、含み損を長時間抱えている場合は損切りした方が利益がでることが過去の取引を見て分かっている場合等。
感情を排除できるメリットが消える
また自動売買のメリットの一つに感情を排除できるという点があります。手動決済してもよいというルールにしてしまうと感情も排除し辛くなります。
すぐ利益が乗ったら我慢できず決済等、感情によってトレードが発生してしまいます。
手動決済したくなるのはなぜ?
これは自動売買に限らず、裁量取引の時も同様に起こる現象です。要はプロスペクト理論というやつです。
プロスペクト理論とは簡単に言うと感情に流されて自身にとって不利な選択をしてしまうという理論です。
詳しく説明すると、ほとんどの人間がFXの取引において、利益が乗ったらすぐに決済して、損失はなるべく回避したいため、先延ばしにしてしまうという行動を取ることを意味します。
これはEAトレードにおいても当てはまります。手動決済をしたくなってしまうのはこういった心理状態から起こってしまいます。
また、チャートや取引履歴を高頻度で見ることも同様に手動決済を誘発します。手動決済のすべてを否定しているわけではないので、もう一度よく考えてから手動決済を実施しましょう。
まとめ
この記事では、MT4のPC版とスマホアプリ版でのEAの手動決済方法について詳細に説明しました。
また、手動決済のメリット、デメリットと適切なタイミングについても述べました。
重要なことは、EAの手動決済は明確な理由がない限り基本的には避けるべきであるということです。
特に、プロスペクト理論により、トレーダーが感情に流され、自身にとって不利な選択をしてしまうことを理解することが必要です。
そして、これらの理解をもとに、適切な決済戦略を練るべきであると結論づけました。