「一本勝ち」とは、USD/JPYの15分足で動くMT4用のトレンドフォロー型EAです。2016年の販売開始から長くフォワードでプラスを保ってきたEAで、当サイトの歴代人気EAランキングでも2位に入っています。ただしGogoJungleのフォワードは2025年4月22日を最後に取引がなく、直近12か月の取引数は0件です(2026年10月時点)。
気になったのは、搭載されている12個のストラテジーの使い道でした。どれか1つを選ぶより、12個すべてを1/12ロットずつ動かしたほうが安定するのではないか。
バックテストを合成してみると、12ストラテジー分散はアクエリアス単独よりプロフィットファクターが1.29から1.35に上がり、ドローダウンは半分以下に収まりました。
通常のロットが0.12以上あるなら、12ストラテジー分散はありだと判断しています。
モンテカルロ法で出した最低利益も、12ストラテジー分散のほうが上でした。分散の効果がどこに出たのか、ロジックの推定と相関表から順に確かめます。
この記事でわかること
- 一本勝ちEAのロジック(押し目・戻りを狙うトレンドフォロー型)とスペック
- 2026年9月時点のフォワード成績と勝ち方のクセ
- 12ストラテジー分散とアクエリアス単独のバックテスト・モンテカルロ比較
- 分散稼働の設定手順と向く人・向かない人
一本勝ちEAの概要とスペック
一本勝ちは、GogoJungleで販売されているMT4用のEAです。作者はCY氏で、販売本数は2,128本です(2026年9月時点)。
最大ポジションが1つなので、ナンピンで損失を先送りするタイプではありません。そのぶん、1回の負けがそのまま成績に出ます。
一本勝ちのロジック|押し目を狙うトレンドフォロー型
一本勝ちは、トレンドの押し目・戻りで入り、トレーリングストップで利を伸ばすタイプだと判断しています。
GogoJungleの販売ページでは、次のように説明されています(2026年9月時点)。
「独自なロジックで相場を常に監視し勢いのあるトレンドに乗り“押し目”でエントリー。乗ったトレンドが暫く続く場合、トレーリングストップしていき期待利益が無限大。」
押し目で入るとは書かれているものの、どこを押し目とみなすのかまでは公開されていません。そこで実際のエントリー位置をチャートで確かめました。

エントリーの様子を見ると、トレンドの押し目買いと戻り売りをしています。
最初の赤丸は最初の赤線の波に対して売り、2番目の赤丸は2番目の波に対して買いでエントリーしています。
トレーリングストップで利を伸ばすことを売りにしていることから、勢いが出たところを追いかけて利を伸ばすトレンド系のEAだと判断しています。
一本勝ちの成績|バックテストとフォワード
フォワードの成績はプロフィットファクター1.13と、バックテストより一段低い水準です(2026年9月時点)。
バックテストの右肩上がりは、どのEAでもある程度は作れます。一本勝ちが長く選ばれてきた理由は、販売後のフォワードでもプラスを保ってきた点のほうにあります。ただ累計利益の最高は2022年10月で、2023年と2025年は年間でマイナスになり、2025年4月22日を最後にフォワードの取引が止まっています(2026年10月時点)。
両方を並べると、勝ち方のクセも見えてきます。
固定ロットと複利のバックテスト
1枚目が固定ロット、2枚目がアクエリアスを複利で回した1999〜2018年のバックテストです。


2026年9月時点のフォワード成績
収益率は高い一方、プロフィットファクター(総利益÷総損失)は1.13と控えめです。
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平均損失が平均利益の2倍ほどあり、勝率7割で細かく勝ち、ときどき大きく負ける形になっています。
後で見るアクエリアス単独のバックテスト(PF1.29)と比べても、フォワードは一段低い水準です。
1回の負けが重いEAなので、ロットとストラテジーの分け方でドローダウンをどこまで抑えられるかが効いてきます。
GogoJungleの購入者評価は★2.7(61件、2026年9月時点)です。内訳は★5が17件、★1が20件と、真っ二つに割れています。勝率7割で細かく勝ち、ときどき大きく負ける成績の形からすると、使い始めた時期によって印象が大きく変わるEAなのかもしれません。
一本勝ちの12ストラテジーを1/12で分散稼働
12ストラテジー分散とは、一本勝ちに搭載された12個のストラテジーを1/12ロットずつ同時に動かし、12個で1本分のロットにする運用です。
一本勝ちにはストラテジーが12もあるので、これを生かした運用ができないかと考えました。
12ストラテジーのバックテストを合成した結果が下です。この合成とモンテカルロ比較は2018年に行った検証で、その後の相場は含んでいません。
合成後の成績は収益802,417、プロフィットファクター1.35、最大ドローダウン31,611です。アクエリアス単独との比較は後の表にまとめました。
12ストラテジーを1/12ロットずつ分散
※2018年に行った合成バックテストの数値です(PFは単独1.29→分散1.35)。
12ストラテジー同士の相関はどのくらい?
各ストラテジーの相関は下のとおりです。
- 全体的に相関が高い。パラメータ違いの派生なので、似た動きになるのは想像どおり
- パイシースだけ他のストラテジーと相関が低い。1本だけ動かしている状態からもう1本足すなら、パイシースが候補になる
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12ストラテジー分散とアクエリアス単独の比較
比べたのは2つのパターンです。1つは12ストラテジーを1/12ロットずつ動かし、12個をまとめて1つの一本勝ちとみなす運用。もう1つはアクエリアスだけで動かす運用です。
12ストラテジー分散とアクエリアス単独の比較
収益、プロフィットファクター、ドローダウンのすべてが改善しました。特にドローダウンは半分以下です。2018年時点のバックテストでは、ロットを分けたほうがリスクを抑えて安定して動かせました。
収益を最大ドローダウンで割ると、差はもっとはっきりします。12ストラテジーは約25.4、アクエリアスは約8.9です。
ドローダウン1あたりで得られた収益が、分散側は約2.8倍だった計算になります。
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モンテカルロ法でも分散のほうが安定する?
バックテストは1本の歴史をなぞっただけなので、運が悪い並びだった場合の成績も見ておきたいところです。
そこでモンテカルロ法でも比較しました。
取引の順番をランダムに入れ替えるなどして資産曲線を何通りも描き直し、ばらつきの幅を確かめる方法です。
12ストラテジー(最低利益:117,365)
アクエリアス(最低利益:105,785)
どちらも最低利益がプラスで、最悪の並びでも利益が残る結果でした。
12ストラテジーのほうがグラフのデコボコが少なく、分散の効果が曲線の形にも出ています。
最低利益を比べても、12ストラテジーは117,365、アクエリアスは105,785で、分散側が上回りました。
最低利益の差は約1割ですが、ドローダウンは約6割小さくなっています。
許容できるドローダウンをアクエリアスと同じ76,872にそろえるなら、12ストラテジー側はロットを約2.4倍にできます。単純に比例させると、最低利益は約285,000になる計算です。
もちろん損益がロットにきれいに比例する保証はなく、ロットも0.01刻みなのでぴったり2.4倍にはできません。それでも、同じドローダウンまで許容するなら、分散側の最低利益はアクエリアス単独の2.5倍を超える計算です。
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一本勝ちを12ストラテジーで分散する設定手順
分散の設定は、チャート12枚への一本勝ちのセット、ストラテジーの割り当て、ロット、マジックナンバーの4手順です。
設定自体は難しくありません。ただチャートを12枚開くぶん、ロットとマジックナンバーの設定ミスが起きやすくなります。
あわせて読む- 12個のチャートを開き、それぞれに一本勝ちをセットする
- 各チャートでストラテジーのパラメータを12種類(アクエリアス、パイシースなど)に1つずつ割り当てる
- ロットは通常の1/12にする(通常0.12ロットなら各0.01ロット)
- マジックナンバーを12個すべて別の値にする
一本勝ちの分散稼働が向く人・向かない人
12ストラテジー分散は、資金量と何を優先するかで向き不向きがはっきり分かれます。
よくある質問
Q1. 一本勝ちEAはどんなロジックですか?
A1. トレンドの押し目買い・戻り売りでエントリーし、トレーリングストップで利を伸ばすトレンドフォロー型です。公式の販売ページも「勢いのあるトレンドに乗り“押し目”でエントリー」と説明しています。押し目の判定条件などロジックの詳細は公開されておらず、押し目買い・戻り売りの様子はエントリー位置からも確認できます。
Q2. 一本勝ちの通貨ペアと時間足は?
A2. USD/JPYの15分足(M15)専用です。最大ポジション数は1で、ナンピンはしません。価格は50,000円(2026年9月時点)です。
Q3. 一本勝ちの2026年9月時点のフォワード成績は?
A3. GogoJungleの全期間成績で、プロフィットファクター1.13、収益率+85.5%、最大ドローダウン17.7%、勝率70.6%です。勝率は高い一方、平均損失が平均利益の2倍ほどあります。なお、フォワードは2025年4月22日を最後に取引がありません(2026年10月時点)。
Q4. 一本勝ちの12ストラテジーはどれを使えばいいですか?
A4. 12個を1/12ロットずつ動かす分散が、合成バックテストではアクエリアス単独より有利でした。プロフィットファクターは1.29から1.35に上がり、ドローダウンは76,872から31,611に下がっています。1本だけ動かしていてもう1本足すなら、相関の低いパイシースが候補です。
Q5. 12ストラテジー分散に必要なロットは?
A5. 通常のロットが0.12以上必要です。1/12にしても各0.01ロットを確保するためで、0.12未満だと最小ロットの制限で分散できません。
Q6. 分散するとモンテカルロ法の結果も良くなりますか?
A6. 資産曲線のばらつきは小さくなり、最低利益も12ストラテジー(117,365)がアクエリアス単独(105,785)を約1割上回りました。ドローダウンあたりの収益で見ると、分散側が約2.8倍です。
Q7. 同じEAを12個動かすときの注意点は?
A7. マジックナンバーを12個すべて別の値にしてください。同じ値だとEAが互いのポジションを区別できず、意図しない決済などが起こる場合があります。ロットも必ず通常の1/12にします。
まとめ:一本勝ちの12ストラテジー分散はありか
- 一本勝ちはトレンドの押し目・戻りでエントリーし、トレーリングで利を伸ばすトレンド系EA
- 12ストラテジーは相関が高いが、パイシースだけ相関が低い
- 12ストラテジーを1/12ロットずつ稼働させると、収益・PF・ドローダウンが改善し、モンテカルロでもグラフがなだらかになる
- モンテカルロの最低利益も12ストラテジー分散が約1割上。ドローダウンあたりの収益は分散側が約2.8倍
- 稼働するならロットは必ず1/12、マジックナンバーは別々に設定する





