MT4 EAの最大ドローダウンと相対ドローダウンについて正しく理解することは、投資やトレードにおいて重要な要素です。
過大広告に騙されることなく、真のパフォーマンスを見極めるためには、これらの指標を理解する必要があります。この記事では、MT4 EAの最大ドローダウンと相対ドローダウンについて詳しく解説します。
ドローダウン(絶対ドローダウン)とは?
ドローダウン(絶対ドローダウン)(drawdown、絶対ドローダウン)は、投資やトレーディングにおいて使用される重要な指標の一つです。絶対ドローダウンは、初期資金からどれだけ金額が減ったかを表す数値です。
例えば、口座の100万円が、10万円減ったらドローダウンは10万円(10%)になります。
絶対ドローダウンは、投資家やトレーダーにとってリスク管理の観点から非常に重要です。過去の絶対ドローダウンを分析することで、将来のリスクを予測し、適切なリスク管理策を講じることができます。絶対ドローダウンが大きい場合、ポートフォリオや取引戦略はよりリスキーであり、損失を出しやすいことを示しています。
投資家やトレーダーは、絶対ドローダウンを最小限に抑えることを目指すことが一般的です。リスク管理の手法や分散投資、ストップロス注文などを活用して、絶対ドローダウンをコントロールすることが重要です。絶対ドローダウンが小さいポートフォリオや取引戦略は、長期的な安定性や成果をもたらす可能性が高くなります。
最大ドローダウンとは?
最大ドローダウンとは、お金を使って投資したり取引をしたりするときに、一番大きな損失がどれくらい出たかを表す大切な指標です。
EAを動かしている時の一番残高が大きいから一番お金が減った時の額のことです。
たとえば、一番残高が大きい時に100万円だった投資額が、80万円まで減ってしまった場合、最大ドローダウンは20万円となります。
最大ドローダウンを知ることは、お金を守るためにとても大切です。なぜなら、大きな最大ドローダウンがある投資は、お金を失いやすいリスクが高いものと言えるからです。
だから、お父さんやお母さんが投資をするときは、最大ドローダウンを小さくするように注意することが大切です。リスクを抑えるためには、お金を分散していくつかの投資商品に分けて投資する方法や、損失が大きくなったら売る「ストップロス」という手法を使うことが有効です。
大切なお金を守るためには、最大ドローダウンを少なくすることが大切なんだよと覚えておきましょう!
相対ドローダウンとは?
相対ドローダウンとは、投資やトレーディングで使われる大切な言葉です。相対ドローダウンは、ポートフォリオや取引のリスクや成績を比べるためのものです。
例えば、あなたがおこづかいを使ってお菓子を売っているとしましょう。ある日、お菓子の売り上げがピークに達しました。でも、その後お客さんが減って売り上げが下がってしまったことがありますか?それが相対ドローダウンです。
相対ドローダウンは、ピークからどれだけ売り上げが下がったかを計算します。そして、他の人と比べてどれだけ悪かったかを知ることができます。もし他の人よりも売り上げが大きく下がっていたら、相対ドローダウンは大きいと言えます。
つまりEAでいう相対ドローダウンとは資金が最も大きく下落した時の割合を表しています。
具体例で見る
例として以下のようなパターンの取引を考えてみます。
パターンA:1→5→10→5→15
パターンB:1→5→15→10→15
パターンAの最大ドローダウンは10-5=5、相対ドローダウンは5÷10=50%
パターンBの最大ドローダウンは15-10=5、相対ドローダウンは5÷15=33%
AとBのパターンはどちらも最大ドローダウンが5ですが、相対ドローダウンは異なっています。これはパターンBの方が残高が多い状態でドローダウンしたからになります。つまり、相対ドローダウンは残高(証拠金)が多いほど小さくなります。
バックテストのドローダウンを見ても意味がない?
ここまではドローダウンについての説明をしてきましたが、EAのバックテストから得られるドローダウン(%)を見ても意味がありません。なぜならドローダウンは初期証拠金と運用ロットによって変えることができるからです。
簡単に説明すると、初期資金を多く、EAのロット数を小さくすることでドローダウンを小さくすることができます。
ドローダウンは口座資金に対しての負け金額のため、このような現象が起こります。
よって、いくらでもドローダウンを小さく見せることができるので、ドローダウンを見ても意味がないです。もし参考にしたい場合はバックテストの下記赤枠の初期証拠金と数量というところを一緒に確認しましょう。
下のバックテストは初期証拠金を大きくし、数量を小さくすることでドローダウンを0%にできている例です。

この初期証拠金と数量を実際に自分が運用する想定で適切な値にすることで、初めてドローダウンを見る意味が生まれます。もし、ドローダウンが~%未満などと安直に宣伝しているEAがある場合はほぼ過大広告といってもいいでしょう。
また、ドローダウンは~%以内のEAが優秀とかいう話もこういった事実を無視したあてにならない指標であることがおわかりいただけたと思います。
ドローダウンは本当に意味がないか?
ここまでドローダウンは意味がないと話しましたが、ドローダウンを間違って認識していると意味がありませんが、正しい方法で認識すればとても意味のある指標になります。
まずFXで欠かすことのできない資金管理がありますが、ドローダウンを確認することは資金管理において重要です。
最大ドローダウンがわかっていないとEAがどのくらいの損失を出すのかわからないまま運用することになります。これはとても危険な運用になります。
初期証拠金と数量を自分の実際に自分が運用する数量に設定してドローダウンを確認することをオススメします。
将来、最大ドローダウンより大きいドローダウンはやってこない?
よくある勘違いとして、最大ドローダウンを超えるドローダウンはリアルの運用ではやってこないと思われることがあります。
投資や金融の世界では、ドローダウン(最大損失)は投資家やトレーダーにとって重要な懸念事項です。しかし、将来のドローダウンに関して「最大ドローダウンより大きいものはやってこないのか」という疑問が生じることもあります。この点について考察してみましょう。
まず、最大ドローダウンとは、ある投資やトレード戦略の過去のパフォーマンスにおいて、最も損失が大きくなった時期や幅を指します。最大ドローダウンは過去のデータに基づいて計算されるものであり、将来の結果を予測するための確定的な指標ではありません。
将来のドローダウンについて予測することは非常に困難であり、市場や経済の変動性、イベントリスク、政治的な出来事など、多くの要素が影響を及ぼします。過去のデータは将来の市場状況と必ずしも一致しないことがありますので、最大ドローダウンを基準に将来を予測することはできません。
また、投資やトレードにおいてはリスクとリターンは密接に関連しています。高いリターンを追求するためには、一定のリスクも受け入れる必要があります。したがって、将来のドローダウンを完全に回避することは不可能であり、それ以上のドローダウンがやってこないという確証はありません。
投資家やトレーダーは、リスク管理の観点から、ポートフォリオの分散やヘッジ戦略などを活用して、損失を最小限に抑える努力をすることが重要です。また、市場の変動やリスクに対する柔軟性を持ち、適切なリスク許容度を設定することも大切です。
最後に、投資やトレードは個々の判断と戦略に基づいて行われるものであり、将来の結果を完全に予測することはできません。将来のドローダウンに対して恐れを抱くのではなく、リスクを管理し、賢明な投資やトレードの判断を行うことが重要です。
潜在ドローダウンとは?
上で説明したドローダウン以外にも番外編として、潜在ドローダウンという考え方があります。潜在ドローダウンとは、最大ポジション数と最大ストップロスから起こりうるドローダウンを指しています。
例えば、最大ポジション数3で最大ストップロスが50pipsのEAがあった場合、3つポジションを持って、全部が最大ストップロスにかかったら損失は150pipsになりますね。これが潜在ドローダウンです。
上の例だと150pipsの損失を出す可能性があるので0.1lot運用だと潜在ドローダウンは15000円になります。この損失に自分の精神が耐えられるかどうかを稼働前に必ず確認するようにしましょう。潜在ドローダウンを知らずにEAの運用を行うと痛い目に合います。
EAが持てるポジション数が多いほどこの潜在ドローダウンが大きくなる傾向にあるので、
潜在ドローダウンを抑えたい場合はなるべく最大ポジション数1のEAを選択するようにしましょう
まとめ
EAのバックテストのドローダウンについて、適切な初期証拠金、ロットで見ないと意味がないので、正しい初期証拠金とロットで見ましょうというお話でした。
なのでドローダウンが少ないことを宣伝文句にしているEAは過大広告であることに気を付けましょう。ドローダウンに騙されずにEA運用をしていきましょう。