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ピラミッティングEAは稼げる?3種の検証結果とナンピンとの違い

トム

・本業エンジニア/EAのFX自動売買歴7年/ブログ歴6年
・首都圏在住30代
・MT4 EAを使った FXの自動売買で年間10万円の利益達成

ピラミッティング(ピラミッディング)は、含み益が出たポジションと同じ方向に追加注文を重ねていく増し玉の手法です。

EAにすれば追加も決済もルールどおりに実行できますが、自作EAで3種類を検証した結論は「ピラミッティング単体では稼げない」でした。

利益の源泉はトレンド判定の優位性で、ピラミッティングはその利益を増幅する仕組みにすぎません。

以下では、ナンピンとの違い、順・逆・イコールの増し玉ルール、トレンド幅と反転時の損益試算、検証結果とMQL4ソースを順に扱います。

この記事でわかること

  • ピラミッティング(ピラミッディング)の定義とナンピンとの違い
  • 順・逆・イコールのロット配分と、追加・決済のルール
  • 総ロット0.6ロットでの損益試算(伸びた場合・反転した場合)
  • 自作EAのバックテスト結果とMQL4ソース

ピラミッティング(ピラミッディング)とは?

115円 114円 113円 112円 111円 110円 買い 買い 買い 買い 買い 全決済

ピラミッティングとは、トレンド方向にポジションを買い増し(売りなら売り増し)していく手法です。

利益が乗ったら追加でポジションを取り、さらに利益が乗ったらさらに追加する、という具合にどんどんポジションを積み上げます。ピラミッドを積み上げていくように見えるので「ピラミッディング」と呼ばれます。

ざっくり言うとナンピンの逆バージョンです。ナンピンが人を破滅させる手法なら、その逆は爆益になるのでは、と思い検証に至りました。

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ナンピン・マーチンとの違い

どちらも同じ方向にポジションを追加する点は同じで、違いは「含み益で足すか、含み損で足すか」です。追加する局面が逆なので、平均取得単価の動き方と、負けるときの形も逆になります。

ピラミッティングとナンピンの違い

ピラミッティング
含み益が出たらポジションを追加。トレンドが続く限り利益が伸びる。最初は小さく始められるが、反転すると積み上げた全ポジションが一斉に逆行する
ナンピン
含み損が出たらポジションを追加。勝率は上がるが、逆行が続くと損失が膨らむ
項目ピラミッティングナンピン・マーチン
追加する局面含み益が出たとき(順行)含み損が出たとき(逆行)
平均取得単価不利な方向へ動く(買いなら上がる)有利な方向へ動く(買いなら下がる)
損益の形小さく負けて、たまに大きく勝つ小さく勝ち続け、まれに大きく負ける
苦手な相場レンジ相場(小さな損切りが続く)一方的な逆行(ロットが膨らみ口座が飛ぶ)

ピラミッティングのメリット・デメリット

内容
メリットトレンドが出続けている限り利益を増やし続けられる
含み益がある状態で追加するので、含み損を抱えたままポジションが増えていくことはない
最初のポジションが小さければ、初期の損切り額を小さくできる
デメリットトレンドが出ていないとジリ貧になりやすい。レンジ相場では機能しない
決済ポイントを誤ると、積み上げたポジションが一斉に逆行して損失が大きくなる
平均取得単価が上がるため、反転時に利益が消えるのが早い

ピラミッティングの種類と増し玉ルール

ピラミッティングのルールは「何ロット足すか」「いつ足すか」「いつ手じまうか」の3つで決まります。一般に種類として紹介されるのは1つめのロット配分の違いで、順・逆・イコールの3つに分かれます。

残りの2つには種類の名前がありませんが、EAにするときはこちらも決めておく必要があります。

ロット配分で分ける3種類

イコールポジションは「長方形ピラミッティング」と呼ばれることもあります。

種類追加ロットリスク向いている場面
順ピラミッティング徐々に減らす(1.0→0.5→0.25)低リスクを抑えつつ利益を積み上げたい
逆ピラミッティング徐々に増やす(0.25→0.5→1.0)高強いトレンドで大きく狙いたい。反転時の損失も大きい
イコールポジション同じ(0.5→0.5→0.5)中リスクとリターンのバランスを一定に保ちたい

追加するタイミング

追加のタイミングは、大きく次の3つです。

  • 一定値幅ごと:20pipsごとのように機械的に追加する。EAにしやすく、本記事の自作EAもこの方式
  • 高値・安値の更新:直近高値(売りなら安値)を抜けてトレンドの継続を確認してから追加する
  • 押し目・戻り:移動平均線などまで戻ってから再び伸び始めたところで追加する。平均取得単価が上がりにくい

決済のルール

積み上げたポジションは一斉に逆行するため、追加より先に手じまいのルールを決めておきます。

  • 合計損益がマイナスで全決済:平均取得単価まで戻ったら撤退する。本記事の自作EAのルール
  • ストップの移動:追加するたびに、全ポジションのストップを建値や直前の追加価格まで引き上げる
  • 利益確定:目標値幅(TP)に届いたとき、またはトレンド判定が崩れたときに全決済する

ピラミッティングの損益を試算する

トレンドが伸びたときにどれだけ増え、反転したときにどこで利益が消えるのかを、3種類で計算してみます。

前提はドル円150.00円で最初のポジションを持ち、20pips(0.20円)上がるごとに追加して計3回、総ロットは0.6ロット(6万通貨)にそろえます。

種類150.00円150.20円150.40円平均取得単価
順ピラミッティング0.3ロット0.2ロット0.1ロット約150.13円
逆ピラミッティング0.1ロット0.2ロット0.3ロット約150.27円
イコールポジション0.2ロット0.2ロット0.2ロット150.20円
(参考)一括で建てる0.6ロット--150.00円

この建て方で、値動きごとの損益を計算した結果が次の表です。1ロット=10万通貨とし、損益は(決済価格-建値)×通貨量で、スプレッドとスワップは含めていません。

種類追加前に149.80円で損切り151.00円まで伸びて決済150.00円まで反転して決済利益が消える価格
順ピラミッティング-6,000円+52,000円-8,000円約150.13円(3回目から約27pips)
逆ピラミッティング-2,000円+44,000円-16,000円約150.27円(3回目から約13pips)
イコールポジション-4,000円+48,000円-12,000円150.20円(3回目から20pips)
(参考)一括で建てる-12,000円+60,000円±0円150.00円(3回目の価格から40pips)

総ロットをそろえると、3回目まで追加し終えたあとは、どの価格でも順ピラミッティングが逆ピラミッティングより8,000円有利です。安い価格で多く持っているぶん平均取得単価が低く、トレンドが伸びても反転しても、この差は変わりません。

逆ピラミッティングが勝るのは、最初の損切りが2,000円と小さい点です。大きく勝てるのは、トレンドが長く続いて追加の回数が増え、総ロットそのものが膨らんだときに限られます。

一括で0.6ロット持てば、伸びたときの利益は60,000円で最大です。そのかわり最初の損切りも12,000円と最大になります。ピラミッティングは、最初のリスクを小さくする代わりに、伸びたときの利益の一部と反転への余裕を手放す取引です。

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反転への余裕は想像より小さく、逆ピラミッティングは3回目の追加から約13pips戻るだけで利益が消えます。

ナンピンは平均取得単価が最後の買値に近づくため、少し戻れば建値に届きます。ピラミッティングでは同じ理屈が逆向きに働き、少し押されただけで建値まで戻ってしまいます。

ピラミッティングEAを自作して3種類を検証

自作EAでは、3種類とも資産が右肩下がりになりました。検証に使ったのは、パーフェクトオーダーでトレンドを判定し、一定値幅ごとに追加ポジションを取るピラミッティングEAです。

項目条件
トレンド判定パーフェクトオーダー(移動平均3本の並び順)
追加エントリー一定値幅ごとに追加
クローズ保有ポジションの合計損益がマイナスになったら全決済、またはTP到達で全決済

合計損益がマイナスになったら決済することで、ポジションを追加してもリスクを抑えられます。すると想定通り、逆コツドカ(小さく負けて大きく勝つ)のようなEAができました。

ピラミッティングEAのバックテストのチャート。下落する相場で売りポジションを段階的に追加し、複数のポジションをまとめて決済している

ここでわかった課題は、追加ポジションをなるべく安いところで持たないと、少しの逆行で利益が消えてしまうことです。トレンドが出ていたら、トレンドの押し目でポジションを追加していく必要があります。

順ピラミッティング

順ピラミッティングEAのバックテスト資産曲線。約50万円から4万円前後まで右肩下がりで、ときどき上に跳ねる

逆ピラミッティング

逆ピラミッティングEAのバックテスト資産曲線。約50万円から49万4千円前後まで緩やかに減少

イコールポジション

イコールポジションのピラミッティングEAのバックテスト資産曲線。約50万円からほぼ0円まで右肩下がり
種類検証結果(資産曲線の縦軸から読み取り)
順ピラミッティング約50万円→4万円前後。小さな負けが続き、ときどき跳ねるが右肩下がり
逆ピラミッティング約50万円→49万4千円前後。減り方は最も小さいが右肩下がり(テストモデルのみ全ティック)
イコールポジション約50万円→ほぼ0円。3種類で最も大きく減った

資産曲線の縦軸を読むと、3種類とも右肩下がりです。順ピラミッティングは約50万円から4万円前後まで、イコールポジションはほぼ0円まで減りました。逆ピラミッティングは約50万円から49万4千円前後と減り方は小さいものの、やはりマイナスで終わっています。

どの曲線も、ときどき上に跳ねる大勝ちと、その間に続く長い下り坂でできています。小さく負けて大きく勝つ形にはなっていますが、大勝ちの分では負けを取り戻せていません。

なお、逆ピラミッティングだけテストのモデルが「全ティック」、ほかの2つは「コントロールポイント」で条件がそろっていないため、金額の大小は単純に比べられません。

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どの種類でも「ベースとなるトレンド判定に優位性があるか」で結果が決まります。ピラミッティング自体は利益を増幅する仕組みであって、勝てるかどうかを決めるものではありません。

ピラミッティングEAのソースコード(MQL4)

参考ソースです。現在の保有ポジションからロット数を取得し、最後に約定したロット数(LongLastlot、ShortLastlot)に一定倍率を掛けて次のポジションを持つようにします。

   // 買いポジションを保有している場合
   for(int i = OrdersTotal() - 1; i >= 0; i--) {
      if(OrderSelect(i, SELECT_BY_POS, MODE_TRADES)) {
         // マジックナンバーが一致する場合
         if(OrderMagicNumber() == MagicNo) {
            // 通貨ペアが一致する場合
            if(OrderSymbol() == Symbol()) {
               // 買いの場合
               if(OrderType() == OP_BUY) {
                  // 逆ピラミッティングの場合
                  if(gyaku){
                     if(LongLastlot < OrderLots()){
                        LongLastlot = OrderLots();//最後に新規約定したロングポジションlot数
                     }
                  }
                  // 順ピラミッティングの場合
                  else if(jyun){
                     if(LongLastlot > OrderLots()){
                        LongLastlot = OrderLots();//最後に新規約定したロングポジションlot数
                     }
                  }
                  if(OrderOpenPrice() >= HI || HI == 0){
                     HI = OrderOpenPrice();
                  }
               }
               // 売りの場合
               else if(OrderType() == OP_SELL) {
                  // 逆ピラミッティングの場合
                  if(gyaku){
                     if(ShortLastlot < OrderLots()){
                        ShortLastlot = OrderLots();//最後に新規約定したショートポジションlot数
                     }
                  // 順ピラミッティングの場合
                  } else if(jyun) {
                     if(ShortLastlot > OrderLots()){
                        ShortLastlot = OrderLots();//最後に新規約定したショートポジションlot数
                     }
                  }
                  if(OrderOpenPrice() <= LOW || LOW == 0){
                     LOW = OrderOpenPrice();
                  }
               }
            }
         }
      }
   }
  • gyaku が true なら逆ピラミッティング(最大ロットを取得して倍率を掛ける)
  • jyun が true なら順ピラミッティング(最小ロットを取得して倍率を掛ける)
  • HI は買いポジションのうち最も高い建値、LOW は売りポジションのうち最も低い建値。ピラミッティングでは最後に追加した価格にあたり、ここから一定値幅進んだら次を追加する

パーフェクトオーダーの判定部分は以下の記事で紹介しています。

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販売中のピラミッティングEA(ゴゴジャン)

ピラミッティングのEAがないかゴゴジャンで探したところ、ありました。セットした瞬間から両建てでポジションを持ち、トレンドが出たら順次ピラミッティングしていくEAのようです。

おそらく半裁量での運用になると予想しています。トレンドを予測できる方でピラミッティングしたい方は使ってみてもよいでしょう。

項目内容(2026年9月26日時点)
商品名両建てピラミッティングEA
販売状況販売中(ゴゴジャンのインジケーター・電子書籍カテゴリ)
提供方法電子書籍
価格10,000円
販売開始日2017年5月6日
販売本数・レビュー41本・レビュー1件(評価1.0)

レビューは1件だけで、評価の傾向を判断できる件数ではありません。フォワード成績も公開されていないため、購入前に商品ページの説明で、ロジックと推奨の運用方法を確認してください。

両建てピラミッティングで相場を攻略!!両建てピラミッティングで相場を攻略!! | GogoJungle

ピラミッティングEAのよくある質問

ピラミッティングとEAについて、よく検索されている疑問をまとめました。どれも本文の検証と試算をもとに答えています。前提条件や計算の中身は、各見出しの本文もあわせて確認してください。

Q1. ピラミッティングとピラミッディングは違う手法ですか?

A1. 同じ手法です。英語の pyramiding をカタカナにしたときの表記の違いで、原語の発音に近いのは「ピラミッディング」です。日本語では「増し玉」とも呼ばれます。

Q2. ピラミッティングとナンピンの違いは何ですか?

A2. 含み益が出たときに足すのがピラミッティング、含み損が出たときに足すのがナンピンです。平均取得単価はピラミッティングでは不利な方向へ、ナンピンでは有利な方向へ動くため、負け方も逆になります。

Q3. ピラミッティングEAは本当に稼げますか?

A3. ピラミッティング単体では稼げません。パーフェクトオーダーでトレンドを判定した自作EAの検証では、順・逆・イコールの3種類とも資産が右肩下がりでした。利益の源泉はトレンド判定の優位性で、ピラミッティングはそれを増幅する仕組みです。

Q4. 順ピラミッティングと逆ピラミッティングはどちらが有利ですか?

A4. 総ロットが同じなら、安い価格で多く持つ順ピラミッティングのほうが平均取得単価が低く、反転に強くなります。本記事の試算では、3回とも追加したあとは価格によらず順ピラミッティングが8,000円有利でした。逆ピラミッティングは最初の損切りが小さく、トレンドが長く続いて総ロットが膨らんだときに大きく勝てます。

Q5. ピラミッティングで相場が反転すると損失はどうなりますか?

A5. 平均取得単価まで戻ると利益が消え、さらに戻ると損失になります。本記事の試算では、最初の建値の150.00円まで戻ると順ピラミッティングで8,000円、逆ピラミッティングで16,000円の損失でした。合計損益がマイナスになったら全決済するなど、手じまいのルールを先に決めておきます。

Q6. ピラミッティングが向いているのはどんな相場ですか?

A6. 一方向に長く動くトレンド相場です。レンジ相場では追加する前に反転して小さな損切りが続き、資産がじりじり減りやすくなります。

まとめ

  • ピラミッティングはトレンド方向に含み益が出たらポジションを追加する手法。ナンピンの逆で、最初のリスクを小さく始めてトレンドの利益を伸ばせる
  • 順・逆・イコールの3種類があり、リスクの大きさが異なる
  • 総ロットが同じなら、安い価格で多く持つ順ピラミッティングほど平均取得単価が低く、反転に強い。逆ピラミッティングは3回目の追加から約13pipsの押しで利益が消える試算になる
  • 検証の結果、ベースとなる手法に優位性がある前提が必要。闇雲に使ってもリスクが増えるだけ
  • 追加は押し目で行い、合計損益がマイナスになったら全決済するルールでリスクを限定する
  • 優位性のあるトレンドフォロー系EAと組み合わせることで効果を発揮する

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定のEA・金融商品の売買を推奨するものではありません。FX(外国為替証拠金取引)は元本が保証されておらず、レバレッジにより預けた証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。記事内の成績・数値は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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