エンジニアは日々、複雑で難解な課題に直面し、それをいかに効率的に解決するかが求められます。特に、一流のエンジニアたちは、課題に対する向き合い方が他と異なり、そのスタイルから多くの学びを得ることができます。本記事では、彼らの手法を基にした「生産的な問題解決のための7つのステップ」を紹介します。
バグを見つけたら手を動かす前に仮説を構築する
一流のエンジニアは、バグを発見した際にすぐにデバッグ作業に入るのではなく、まずは立ち止まって原因を仮説立てします。このプロセスは、効率的な修正に繋がるだけでなく、根本原因を見逃さずにすみます。以下の図は、仮説構築から根本原因を特定し、最終的に修正を行う流れを示しています。
仮説がある程度固まった段階で、コードの読み込みやドキュメントの確認、さらにはテストデータを用いた検証を行うことで、解決策が見えてきます。
メンタルモデルを活用して理解を深める
エンジニアリングにおいては、新しい技術や概念を理解することが多々あります。一流のエンジニアは、メンタルモデル(概念モデル)を構築し、物事の理解を深めています。例えば、新しいプログラミング言語を学ぶ際、言語の特性や設計思想をまず理解することで、細かな構文理解の前に全体像を把握できるのです。
メンタルモデルの活用は、理解のスピードと深さを増し、長期的な学習の効率化に役立ちます。
ステップ3: 表面的な理解を超えて根本原因を探る
問題が発生した場合、表面的な対処に留まらず、根本原因を徹底的に探る姿勢が重要です。例えば、アプリケーションの応答が遅い場合、単にコードの速度を上げるのではなく、パフォーマンス低下の原因を明らかにすることで、抜本的な改善を行えます。
表面的な対処に頼らず根本原因を特定することで、将来的なトラブルを未然に防げます。
不要な作業を削減し、本質に集中する
全てのタスクをこなすのではなく、本質的な価値を見極め、重要な部分に集中することも重要です。一流のエンジニアは無駄な作業を削減し、より少ない工数で価値のある成果を上げることを目指します。
例えば、初期段階では最低限の要件に絞った実装を行い、リリース後にフィードバックを元に改善を繰り返すのが賢明です。
最小の労力で最大の効果を
問題解決において、完璧を目指すよりも、少ない労力で大きな効果を上げることを心がけるべきです。いわゆる「80:20の法則」に従い、20%の労力で80%の成果を得ることを目指します。
最初から完璧なシステムを構築するより、まずMVP(最小限の製品)をリリースし、ユーザーフィードバックを元に段階的に改善する方が効率的です。
失敗から学び、フィードバックを活かす
失敗は避けられないものであり、そこから学ぶことがスキル向上に繋がります。フィードバックを活かすことで、次のプロジェクトにおいてより良い成果を出すことが可能です。以下の図は、フィードバックを受け入れ改善し続けるサイクルを示しています。
リリース後のフィードバックを大切にし、常に改善し続ける姿勢が求められます。
失敗を恐れず、学習機会と捉える風土を作る
一流のエンジニアが失敗から学び続けられるのは、チームが失敗を歓迎する文化を持っているからです。失敗を非難するのではなく、次への成長の糧とするムードが重要です。
失敗が非難される環境では、挑戦が減少し、チーム全体の生産性が下がる可能性が高まります。
まとめ
以上の7つのステップは、日々の業務の中で一流エンジニアたちが実践している問題解決の方法です。仮説構築から始まり、メンタルモデルの構築、根本原因の追及、無駄の削減、労力の最適化、フィードバックの活用、そして失敗を歓迎する風土作りまで、いずれも高度なスキルや心構えが必要ですが、これらを実践することでプロフェッショナルとしての成長と生産性の向上が期待できます。
毎日の積み重ねの中で、これらのマインドセットを身に付け、より効率的に問題解決ができるエンジニアを目指しましょう。